What’s Nikko? ~ホタテ加工の人手不足解消「オートシェラー」とは?
2024年2月26日 ニッコーブログ
こんにちは!Kです。
今回はタイトルにあるように、ホタテ加工に関わるお話です!
昨年からニュースなどで目にする機会が増えたホタテの加工現場ですが、現在人手不足が深刻化しております。
この人手不足を解消する方法の一つが「オートシェラー」です!
ホタテ加工現場の現状と課題、その解決策をひとつひとつご説明いたします。
3,4分で読める記事にまとめておりますので、ぜひ最後までご覧になってみてください~
「オートシェラー」とは?
「オートシェラー(ホタテ貝自動生剥き機)」とは、これまで人手で行っていた、ホタテの殻を開け貝柱を取り出す「貝剥き作業」を機械化したものです。
ホタテ加工業の現状と課題
「オートシェラー」がなぜ、ホタテ加工現場の課題を解決できるのか・・・
その理由を探る為には、4つの現状を知る必要があります。
▪ 現状1 「貝剥き作業」は人手作業に依存
現在、多くのホタテ加工現場では殻を開け、ウロミミを取り、貝柱のみを取り出す「貝剥き作業」を人手で行っています。
ホタテは形が全く同じものはなく不定形な為、機械による処理は簡単ではありません。
そのため熟練の作業員さんたちが、素早く丁寧に貝剥き作業を行っております。
▪ 現状2 労働人口の減少
これはどの業界にも共通することかと思いますが、ホタテ加工業界も同じで人口減少や高齢化によって働き手不足が課題となっております。
▪ 現状3 中国の輸入停止と過剰在庫
昨年2023年8月、東京電力福島第一原発のALPS処理水放出の影響で、中国は日本の水産物の輸入を全面停止しました。日本のホタテの輸出先1位は中国であった為、ホタテ加工業者は多くの在庫を抱えることとなってしまいました。
▪ 現状4 中国への輸出と他国への輸出の違い
中国へ輸出できないのなら、他国に輸出しようと考えますが、ここには大きな違いがあります。中国へ輸出する際は、殻付きのまま冷凍したものを輸出し、現地で貝剥き作業が行われていました。
しかし、他国では貝剥き作業を行う環境が完全に整っている訳ではない為、玉冷(貝柱のみを冷凍したもの)を輸出しなければなりません。つまり、他国に輸出するには「貝剥き作業」を行い、貝柱を取り出すことが求められるのです。
これら4つの現状をまとめると、
「貝は剥かないといけないが、剥き手がいない・・・」という人手不足が課題として浮かび上がるのです。
解決策「オートシェラー」~仕組み
この剥き手がいない状況を解決するのが、「オートシェラー(ホタテ貝自動生剥き機)」です。
オートシェラーは、原貝(殻付きのホタテ)を機械にセットするだけで、自動で貝柱・ウロミミ・貝殻に分ける事が可能な装置です。
解決策「オートシェラー」~よくある質問
Q. 貝に蒸気による微熱を与えることで、貝柱に熱が加わり煮えてしまうのでは?
A. 公的機関による検証の結果、色調、栄養成分、吸収率・水分率、ドリップ率、食味等で「手剥きした貝柱となんら変わらない」と証明されました。
Q. 機械ではカット時に貝柱を残してしまい、歩留まりが悪いのでは?
A. 手剥きでは上面・下面共に刃物でカットしますが、オートシェラーでは上面は蒸気で開口、下面は刃物でカットする為、上面には貝柱が残りません。
またカット工程にもこだわり、刃物の形状・角度など何度も試行錯誤を繰り返し、できるだけ貝柱を残さない現在の仕様にたどり着きました。その結果、手剥き作業よりも、0.71%の歩留り向上を実現いたしました。
Q. 投入部に人員が必要ならば、それほどの省人化にはならないのでは?
A. オートシェラーは、1台で約11人分の処理能力があり、投入作業員はたったの2名。加えて、エラー貝(割れ貝や開口しなかった貝など)の処理作業員が1名です。
1台あたり計3名の作業員が必要ですが、結果8名分の省人化に繋がります。
11人分-(投入作業員2名+エラー貝処理作業員1名)=8名分 省人化
おわりに
なぜホタテ加工現場で人手不足が深刻化しているのか、また解決策の1つである「オートシェラー」について、知っていただけましたでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
ニッコーでは、ホタテ加工に長年携わってきた経験を活かし、より効率的なライン構築や課題解決の為のお手伝いをさせていただいております。
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